2011年01月15日
イベリコ豚の収穫祭、マタンサに参加
15日の朝、スペイン人から
「マタンサって興味ある?」と聞かれました。
「何?それ。」
「マタンサっていうのは、農家が家族単位で
一年に一度、家畜の豚を屠殺する収穫祭だよ」
と教えてくれました。
この地域では、イベリコ豚がドングリを食べ、たっぷり肥った時期になると、
農村生活において欠くことの出来ない重要な収穫祭である
マタンサ(屠殺)というものが行われるのだそうです。
これは、家畜として自分の家で育てたイベリコ豚を自宅で屠殺、
その場で解体して保存食などに加工。
一年分の食糧として確保にしていたのがルーツだとか。
マタンサが行われる日には、作業を手伝うために親族一同が集まります。
この収穫祭は普段会うことの少ない親族に会う特別な日なんだそうです。
家族毎に開催日は異なりますが、大体似たような時期に行われるそうです。
と聞けば、なにせ、食べ物好きのワタシ。即答で「連れてって!!」
ということで、早朝から山に向かいました。

遅い時間に日が昇ってきます
たまたま、年に一度の収穫祭をやるという知り合いの家に頼んでくれて
「勝手に世界うるるん滞在記な気分」で参加。

山間にある家は雰囲気があってオシャレな感じ。

このお母さん豚の子供たちが6匹、屠殺されました。
なんとなく恨めしそうな目をしているのは気のせい??

去年までは、元気に生きているイベリコ豚の喉元から心臓にかけて刃物で刺して屠殺。
当然、豚ちゃんは暴れますから大変な重労働だったそうです。
そこで今年は初めて新兵器『電気ショック』を採用。
気絶させてから喉元を刺して屠殺したんだそうです。
現地に到着したときには既に6匹とも息の根を止められていました。
殺されたイベリコ豚は直ぐに表面の毛を焼かれ、首が切り離されます。
首を切り取られた体は、後ろ足をチェーンで縛られて逆さに吊されます。

次に吊された体は真ん中からナイフで切られ、内臓を取り出します。
取り出された内臓は、ホカホカと湯気がたっています。
これをバケツにいれて女性陣のところへ。
内臓の処理は女性の仕事です。
母から娘、そして孫へと受け継がれる伝統的な作業です。

その後、本体は斧で背骨が外されます。背骨は、しっぽが付いたままです。
背骨から取った小肉はソーセージになり、骨そのものからはスープが取れます。
しっぽも煮込みにされるそうです。
背骨が外れたら、右、左片身ずつに分けられチェーンを外されます。
外された半丸は、納屋に運ばれて部位毎に分けられます。

まずは、モモ肉。これは、塩漬けにして生ハムになります。
この時期にマタンサを行うのは、この寒い時期は屠殺した豚を
干して生ハムに仕上げるのに適しているということが理由のようです。
ロースはロモエンブチャートになりますし、
赤身と脂身・パプリカなどを使ってチョリソカセーロなどにも加工されます。
また、脂身は塩漬けにして調味料のように使用するようです。
冷蔵庫などがなかった時代に、貴重な豚を全て無駄なく食べるための生活の知恵。
大腸以外、全ての部位が食べ尽くされます。
それにしても、みんな嬉しそう。
狩猟民族の血が騒ぐのかなあ?
ちなみに「豚塚みたいのってあるの?」って聞いてみました。
日本では、「○○供養」といって石碑を建てたりして
特に食べものとしていただくものに感謝するということがありますが、
スペイン人はどうなんだろうと思っての事です。
「なんで?」と聞き返されました。
「豚は人間が食べるために生まれてきたのだから供養する意味が解らん」
という事のようです。まさに文化の違いですね。
休憩時間に、みんな立ったままワイワイガヤガヤ。
本当にスペイン人はおしゃべり好きです。


硬くなったパンをボロボロに崩して豚脂で炒めたもの

豚の喉肉を小肉にカットして焼いてからマリネにしたもの
スペイン人でもあまり体験した事のないマタンサ。
実は、アテンドしてくれたスペイン人も初体験だったみたい。
ディープなスペインに触れられて楽しかったなあ。
「マタンサって興味ある?」と聞かれました。
「何?それ。」
「マタンサっていうのは、農家が家族単位で
一年に一度、家畜の豚を屠殺する収穫祭だよ」
と教えてくれました。
この地域では、イベリコ豚がドングリを食べ、たっぷり肥った時期になると、
農村生活において欠くことの出来ない重要な収穫祭である
マタンサ(屠殺)というものが行われるのだそうです。
これは、家畜として自分の家で育てたイベリコ豚を自宅で屠殺、
その場で解体して保存食などに加工。
一年分の食糧として確保にしていたのがルーツだとか。
マタンサが行われる日には、作業を手伝うために親族一同が集まります。
この収穫祭は普段会うことの少ない親族に会う特別な日なんだそうです。
家族毎に開催日は異なりますが、大体似たような時期に行われるそうです。
と聞けば、なにせ、食べ物好きのワタシ。即答で「連れてって!!」
ということで、早朝から山に向かいました。
遅い時間に日が昇ってきます
たまたま、年に一度の収穫祭をやるという知り合いの家に頼んでくれて
「勝手に世界うるるん滞在記な気分」で参加。
山間にある家は雰囲気があってオシャレな感じ。
このお母さん豚の子供たちが6匹、屠殺されました。
なんとなく恨めしそうな目をしているのは気のせい??
去年までは、元気に生きているイベリコ豚の喉元から心臓にかけて刃物で刺して屠殺。
当然、豚ちゃんは暴れますから大変な重労働だったそうです。
そこで今年は初めて新兵器『電気ショック』を採用。
気絶させてから喉元を刺して屠殺したんだそうです。
現地に到着したときには既に6匹とも息の根を止められていました。
殺されたイベリコ豚は直ぐに表面の毛を焼かれ、首が切り離されます。
首を切り取られた体は、後ろ足をチェーンで縛られて逆さに吊されます。
次に吊された体は真ん中からナイフで切られ、内臓を取り出します。
取り出された内臓は、ホカホカと湯気がたっています。
これをバケツにいれて女性陣のところへ。
内臓の処理は女性の仕事です。
母から娘、そして孫へと受け継がれる伝統的な作業です。
その後、本体は斧で背骨が外されます。背骨は、しっぽが付いたままです。
背骨から取った小肉はソーセージになり、骨そのものからはスープが取れます。
しっぽも煮込みにされるそうです。
背骨が外れたら、右、左片身ずつに分けられチェーンを外されます。
外された半丸は、納屋に運ばれて部位毎に分けられます。
まずは、モモ肉。これは、塩漬けにして生ハムになります。
この時期にマタンサを行うのは、この寒い時期は屠殺した豚を
干して生ハムに仕上げるのに適しているということが理由のようです。
ロースはロモエンブチャートになりますし、
赤身と脂身・パプリカなどを使ってチョリソカセーロなどにも加工されます。
また、脂身は塩漬けにして調味料のように使用するようです。
冷蔵庫などがなかった時代に、貴重な豚を全て無駄なく食べるための生活の知恵。
大腸以外、全ての部位が食べ尽くされます。
それにしても、みんな嬉しそう。
狩猟民族の血が騒ぐのかなあ?
ちなみに「豚塚みたいのってあるの?」って聞いてみました。
日本では、「○○供養」といって石碑を建てたりして
特に食べものとしていただくものに感謝するということがありますが、
スペイン人はどうなんだろうと思っての事です。
「なんで?」と聞き返されました。
「豚は人間が食べるために生まれてきたのだから供養する意味が解らん」
という事のようです。まさに文化の違いですね。
休憩時間に、みんな立ったままワイワイガヤガヤ。
本当にスペイン人はおしゃべり好きです。
硬くなったパンをボロボロに崩して豚脂で炒めたもの
豚の喉肉を小肉にカットして焼いてからマリネにしたもの
スペイン人でもあまり体験した事のないマタンサ。
実は、アテンドしてくれたスペイン人も初体験だったみたい。
ディープなスペインに触れられて楽しかったなあ。
Posted by シェフの片腕 at 12:00│Comments(0)
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